貧しさを蔑まない社会とベーシックサービス
静岡県労働者福祉基金協会の成果発表セミナーで井出英策教授のベーシックサービスに関する講演を聴講し、「当たり前に生きられる社会」を実現する視点の重要性を改めて強く意識させられた。
医療、教育、介護、子育てなど生活に不可欠なサービスを、所得に左右されず誰もが利用できるようにするという構想は、将来不安が大きい現在の日本社会において、持続可能性と包摂性を両立させる枠組みとして大きな意義を持つと感じました。
講演の中で井出氏は、自身が母子家庭で育ち、幼少期に大変貧しい暮らしを経験したこと、母とおばに支えられ、おばが働き家計を支えながら学校へ通わせてくれたことを語られた。その大切なお二人が不慮の事故で数年前に亡くなられ講演日は母の命日にあたることも明かされた。
貧しくても教育を受けさせてくれたことへの深い感謝と、「貧乏を蔑む世の中であってはならない」と力強く訴える姿に触れ、私も思わず目頭が熱くなった。一方で、社会や組織が発展していくためには、努力して成果を上げた人が適切に評価され、報われることも欠かせないとも考えます。
その観点から、ベーシックサービスは成果主義と対立するものではなく、すべての人の生活基盤を安定させたうえで、多様な人材が能力や意欲を発揮できる「土台」として捉えるべきだと感じた。
講演を通じて、弱い立場の人を支える仕組みと努力や成果を尊重する価値観は両立し得るだけでなく、互いを補完し合う関係にあることに気づかされました。
わいてぃー