クリスマスイブに思うこと

2021年12月24日
ブログ

長引く新型コロナ感染症の影響で計画が立てづらい状況と、私と妻の2人住まいということもあって、いつもと同じビールと焼酎でクリスマスイブをお祝いをすることになりますが、子供のベッドの横に用意された大きな紙の長靴にそっとプレゼントを入れたことが懐かしく思い出されます。

そもそもクリスマスはキリストが生まれたことをお祝いする日として、キリスト教以前のミトラス教の「光の祭り」とローマ帝国の農耕の儀式が12月25日開催であったことから、これらを同時開催することでキリスト教を広めるきっかけとしたのが始まりのようです。

以前は、キリスト教徒でもない日本人がなぜクリスマスなのという話もありましたが、この点について「日本とは何か」・「日本を創った12人」(堺屋太一氏の著書)の中では、聖徳太子が「神道を幹として仏教を枝として伸ばし、儒教の礼節を茂らせて現実的繁栄を達成する」とした「神仏儒習合」の思想により宗教的戒律にとらわれない日本人が誕生したと述べられています。

このことにより、仏教のいいところ、キリスト教の面白いところ、かっこいいと思うところだけを取り入れればよいということで、教会での結婚式、仏寺でのお葬式、盆踊り、初詣、坐禅、御輿と何の矛盾も感じることなく行われるようになったようです。

本来、神の教えは絶対的正義であり、人の判断や都合で変えることのできないものであるのに対し、各宗教の中から都合の良い部分だけを取り出す「いいとこどり」の習慣が生まれたことで、絶対的正義感の主張はごく一部となり、世界で起こっている宗教の違いによる戦争や深刻な政治対立は日本では起こりようもなく、またそれ自体日本人には想像がつかないであろうと説明されています。

また、短期間で外国文化や技術等を習得し産業を発展する事ができたのも、宗教的思想や社会問題と一体的に考える必要がない、「いいとこどり」の習慣によるもので、結果として親族や地域を重視する血縁社会や地縁社会であった日本が、職場・会社を中心とする「職縁社会」(タテ社会)に変わっていったということです。

この本が書かれたのが20年以上前ですから、世の中も随分変わっています。「共創」や「対等の目線」を好むZ世代の出現等も含め、今後の社会情勢の変化に目が離せません。

<ヤスベー>


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